みなさんご存知、筋膜リリースで話題になったマッサージガン。
振動レベルを変えれるものがほとんどだと思うんですけど、みなさん振動レベルは使い分けてますか?
振動レベル、すなわち振動数(Hz)ヘルツですね。
意外と知られてませんが、場所に合わせた適正の振動数があるんです。
ということは?
場所に合わせた適正な振動数でマッサージガンを当てると、その効果が変わってくるの?
そんな疑問が浮かびませんか?
ということで本日は、そんな疑問を解決するセルフケアの方法についてのお話しをしていきます。
まずは、標的となる組織についてです。
1 ファッシア組織(密性結合組織)
2 感覚受容器(神経の末端、神経レセプター)
3 筋神経トーン
遠心性インパルス 脳→体
求心性インパルス 体→脳
ファッシア組織(密性結合組織)とは
俗に言う筋膜です。
実は筋膜という言葉はなく、TVや雑誌で騒がれているようなものは大体、筋筋膜の事を指しています。
筋筋膜の種類ですが1つではなく、筋外膜、筋内膜、筋周膜と分かれています。
成分はコラーゲンⅠ型、Ⅱ型(軟骨の主成分)、プロテオグリカン、※エラスチン、※フィブロネクチンです。
※は接着分子と言われるもの。
ちなみにコラーゲンは人で約30種類ほど存在すると言われています。
これらの成分比率が変わることにより、固さが変わり、腱や靭帯にもなります。
したがって、筋膜という言葉に含まれるものは筋肉を包む膜だけではなく、神経、血管、臓器を包む膜、腱や靭帯も含まれることになります。
あ、そうそう。靭帯損傷などの怪我の早期回復については、フィブロネクチンがより多く集まり組織修復をすることが分かってきているそうです。
感覚受容器について(末梢神経の求心性インパルス)
体にはたくさんの感覚受容器があります。
今回は皮膚感覚受容器、筋肉、腱感覚受容器に絞ってお話しします。
皮膚感覚受容器
パチニ小体(振動)
ルフィニ小体(圧感知)
ルフィニ終末(深部、角度変化)
マイスナー小体(振動、圧だが形状回復が早いため触れた感覚しか送れない)
メルケル盤(圧、皮膚張力)
クラウゼ小体(圧 = 触覚)
筋肉、腱感覚受容器
腱紡垂(腱張力感知)
筋紡垂(筋張力感知)
どれも一定の刺激、継続的刺激に関しては感知が鈍くなります。(長時間の同じ姿勢など)
筋神経トーン(体が重い、筋肉が攣る etc)
筋に対して刺激(負荷)を与えることにより成長ホルモン、テストステロン、インシュリンなどの分泌が高まります。
筋が強く収縮することにより血管を圧迫し、電解質などの栄養素が届きにくくなります。
結果として、遠心性インパルス(脳からの命令信号)が届きづらくなります。
また、エネルギー生成時の副産物などが溜まりやすくなることで、エネルギー生産量も下がります。
※副産物がエネルギーになる経路へ到達しにくい。
また、2で述べた受容体の感覚閾値低下により、体の位置感が悪くなることも原因です。
さらに、交感神経優位になることや腱紡錘や筋紡錘の閾値変化によることも考えられます。
※副産物 = 乳酸 etc
マッサージガン振動レベル
適正な振動レベルについて
ファッシア組織 level 強
筋神経トーン level 中(強く押し当てる)
感覚受容器 level 弱
付 録
触診、怪我歴での標的組織の判断の仕方
ファッシア組織 手術歴有り、強捻挫歴有り、触ってコリコリする場所
筋神経トーン 筋トレ後、有酸素後(強度の高いもの)、筋肉痛箇所
感覚受容器 各関節、足底(バランスが悪い)
まとめ
ここまでざっくり説明しましたが、結局のところ意味や目的をもつことが大事なのです。
上記で述べたものが体のどこに当てはまるのか?
スクリーニングし、アセスメントできるかによって、アプローチ法(振動数)が変わり、その効果が変わります。
筋肉の可動域拡大なのか?感覚入力なのか?
どうせやるなら、そこまで考えてアプローチしたいものですね。これを機にぜひお試しあれ!